東京の港区高輪に所在地がある日本ユニセフ協会は公益財団法人で、別名ユニセフ日本委員会とも呼ばれています。
その歴史は国際連合の誕生にまでさかのぼり、戦後日本が復興を目指す中で設立が望まれることになります。
国際連合は1945年に誕生しましたが、翌年の1946年にユニセフ、国連国際児童緊急基金を創設して、1947年から子供向けの粉ミルクや医薬品の提供を始めます。
恩恵は12ヶ国の400万人にもたらされ、1949年には日本でもユニセフ援助が始まりました。
この時は国連のユニセフによる援助だったので、日本国内に本部を置く機関はまだなかったわけです。
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1953年に国連機構内の一機関としてのユニセフ存続となる
1950年にはユニセフ廃止の動きも見られましたが、途上国の子供達の長期的ニーズに応えるべく、活動を優先するべきとして3年間の据え置きが決まります。
つまり元々は援助活動だったわけですが、1953年に国連機構内の一機関としてのユニセフ存続となり、名前が国際連合児童基金と改められました。
ユニセフの名前は世界中に広まり、今では多くの支援者を集めて援助を必要とする子供達の助けになっています。
日本での援助は全国700町村に広がり、1959年まで続けられました。
ユニセフの日本に対する援助が終わったのは、東京オリンピックが開催された1964年のことです。
翌年にユニセフがノーベル平和賞を受賞したことで、名実共に功績が認められた形です。
戦後復興を遂げた日本では、援助される側ではなく、援助する側としての意識が芽生えることになります。
日本ユニセフ協会の誕生の経緯
日本ユニセフ協会は国内での気運の高まりを受けて、1977年に正式に承認を受けて誕生しました。
当初は日本委員会の位置づけでしたが、2011年に内閣府の認定を受けて、現在の公益財団法人へと移行しました。
実は支援物資の提供に対する礼状を書く作業が組織のルーツで、1950年に財団法人日本国際連合協会から独立、任意団体を発足しています。
1955年に財団法人化、そして1977年にようやくユニセフ本部による正式な承認となりました。
現在の日本ユニセフ協会は2001年に本部を現在の所在地に移し、ユニセフハウスとして活動しています。
その地道な活動は2003年に1億ドルの拠出金達成と、全ての国内委員会の中で最高という記録を残しました。
寄付金の使途に関しては様々な噂がありますが、収支報告はオープンに透明性を持って行われていますし、特に問題となるような支出はないと考えられます。
日本を含む国内委員会の役割
日本を含む国内委員会の役割は、民間向けに活動内容を発信したり、支援者を募って募金活動を行うことにあります。
当然ながらその活動には資金が必要ですから、寄付金の中から活動資金の拠出が認められています。
これは国際連合の国際連合児童基金との協定によるもので、寄付金の上限25%まで活動資金に充てたり、将来の広報や啓発活動の為に留保しているわけです。
収支報告は毎年詳細に、1円単位まできっちりと公開されていますから、活動内容とお金の使い方を照らし合わせて確認するのは容易です。
寄付額の100%が援助に充てられるという誤解が問題
何かと寄付金の使い方にケチがつくこともありますが、この原因は寄付額の100%が援助に充てられるという誤解から来ているところが大きいです。
支援者としては援助を必要とする子供に寄付を行っているつもりなので、寄付金から活動資金が拠出されるのは気持ちを複雑にさせます。
ただお金を集めて送り届けたり、有効活用するには人の力が不可欠ですから、子供の援助に欠かせない資金と考えれば納得できるはずです。
直接、現地の子供に物資を送り届けるのは非効率的ですし、寄付金以上の高額な費用が発生してしまうでしょう。
日本ユニセフ協会は支援者からお金を集め、責任を持ってユニセフ本部に拠出する役割を担っていますから、この協会こそが民間の正式な寄付の窓口となっています。
日本国内にはもう1つ、ユニセフの東京事務所が存在しますが、こちらは政府向けの窓口で民間業務は対象外ですから、個人や企業からの寄付は受けつけていないです。
まとめ
このように、日本ユニセフ協会は民間向けの活動や募金活動の一切を任せられており、唯一の正式な組織でもあります。
支援の方法はいくつかありますが、一番簡単なのは公式WEBサイトから寄付をしたり、ギフトを選んで購入する方法です。
寄付の金額は任意で1回のみでもOKですし、マンスリーサポートプログラムで毎月一定額の支援を続けることもできます。
ユニセフ支援ギフトはワクチンや栄養治療食、手洗い石けんなどを購入する形で子供達に援助が行えます。
お金で支援する寄付とは違って、どのような形で援助するかを選べますから、より納得したり実感が得られる援助方法となっています。
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