作新学院は1885年に栃木県宇都宮市の名士である船田兵吾を筆頭に、下野英学校と言う名前で設立され、1888年に私立作新館に改称された学校がその起源となっています。
1895年に国の尋常中学校の許可を得たことから、私立尋常中学作新館となりましたが、その後1899年には旧制中学校となり、私立下野中学校に改称されるなど、設立当時は学校名の変更が著しいものとなっていました。
その後1941年には財団法人作新館高等女学校を設立し、女性教育にも力を入れるようになりましたが、1947年には下野中学校と作新館高等女学校を合併し、新たに作新学院高等部、及び中等部と言う現在の体制に近い形になっているのが特徴です。
参考:畑恵 実家
作新学院と言うと野球が強い学校と言う印象がある
作新学院と言うと野球が強い学校と言う印象があり、甲子園の全国高校野球大会では常に上位に入る学校となっていますが、古くからその教育方針は非常に特筆すべきものがあり、特に古くから女性の教育には力を入れてきました。
現在では日本全体が国際化の影響を受け様々な学校が英語教育に力を入れていると言う状況となっていますが、作新学院では古くから女性に対しても英語教育を積極的に行っているのが特徴であり、この風潮が現在でも続いています。
現在の特徴的な教育構造は、この学校の学部の名称や配置にも表れているのがポイントです。
それぞれの学部は英進部、総合進学部、及び情報科学部の3つに分かれ、それぞれの学部は、転籍などが認められない独自のカリキュラムで運営されており、入学時にこれを決定することによって自分の進むべき方向を選びその学習に徹することができると言う特徴があります。
英進部は学力別に3つのクラスに分類されている
特に英進部はその中にもトップ英進部が配置されており、学力別に3つのクラスに分類されているのが特徴となっています。
その中でも最も優秀な生徒が選抜されるSIクラスはトップ英進部とも呼ばれ、最難関の国立大学や、医歯薬科系の大学への進学を目指す生徒が集まるクラスです。
このクラスは入学時の試験の成績によって選抜されるほか、進級時の成績によっても編入することができる仕組みとなっており、常に優秀な生徒が集まっているものとなっています。
さらにその下に英進選抜クラス、英進クラスがあり、それぞれ進級時に上位のクラスに編入することができる仕組みとなっているため、下位のクラスの生徒であっても、成績次第では上位のクラスに編入できると言う仕組みから生徒の学習意欲を刺激する仕組みが導入されているのがポイントです。
他の学部でも総合進学部では英進部ほど優秀では無いものの、有名私立大学を目指す生徒のための学部となっており、独自のカリキュラムを設定し徹底した進学教育を行っているのが特徴です。
それぞれの専門性を持った教育を行っているのが特徴
この学部の中では有名私立大学を特別進学クラスや大学進学クラスが設定されており、特に大学進学クラスは系列の作新学院大学、もしくは短期大学部への進学を希望する学生に対する教育を行っています。
情報科学部は従来は商業科や情報科、または電子科や電気科等様々な学科に分かれていましたが、これを1991年に統合し、学部の中にそれぞれの学科を配置する形となりました。
それぞれの専門性を持った教育を行っているのが特徴で、その学科を卒業することで様々な資格を取得することができるのがポイントです。
特徴的な学科では自動車整備士養成科があり、高等教育を受講しながら3級自動車整備士の学習をすることができるのが特徴となっています。
作新学院は現在では大学から中等部まで存在する一体的な総合教育の学校と言う印象を持つ人も多いのですが、高等学校のそれぞれの学部の構成を見ると非常に専門性の高い教育を行っていることがわかります。
有名国立大学の進学に向けて徹底した学習を行う仕組みとなっている英進部や、有名私立大学への進学を目指す総合進学部といった形で学習レベルに違いを持たせており、多くの学校でありがちだった学習意欲の異なる生徒が同じ教室で学習することに生じる様々な問題を解消することができるのがポイントです。
多くの高校では基礎学力レベルや学習意欲の異なる生徒が同じ教室で学習をすることから、それぞれにその違いから様々なトラブルを生み出してしまうことも少なくありません。
まとめ
このような問題を避けるために徹底した専門性の高い、本人のレベルに合った教育を行っていることがこの学校の特徴であるとともに、同時に専門性の高い教育を受けたいと願う生徒に対してもそれぞれに合わせた細かな学科の設定を行っているのが特徴です。
現在では多くの高校は少子化により生徒の枯渇に苦しんでおり、そのために様々なレベルの生徒を同時に受け入れなければならなくなっている状況ですが、そのために総合的な学力の低下に悩むことも多くなっています。
その中でこの学校は学科構成に専門性と独自性を持たせることにより、これらの問題を解消するとともに本人の意欲をさらに引き立てることができる独自の教育方針となっているのがポイントであり、魅力です。